GELTRONジェルトロンマットレスの使用報告(2008年9月18日)
日本褥瘡学会理事
医療法人財団 青葉会 青葉病院
院長 中條俊夫
@ ジェルトロンの前のモデルである単純立体格子状型グミ状ジェル(インテリジェル)を、自宅にてまず家内が、また2レイヤータイプ
を家内 が使用するようになってからは中條俊夫自身が使用し続け、現在までに通算3年以上が経過しているが、ヘタリ等の変形は全く
発生してお らず、安定した寝心地を保っている。
A 家内はジェルトロン・2レイヤータイプの使用を始めてから現在まで1年以上を使用し続けているが、これも安定した寝心地が保たれている インテリジェルに比較し、厚さがあるためか、よりふかふかした感じである、と言っている。
B ジェルトロンの素材自体の温度が比較的心地よく感じ、気持ちよく睡眠がとれる。冬場においても特に使用法を変えることはないが、
時に ジェルトロンの冷たさを感じる場合は「体動温度調整パッド」を使用することで暖かく使用できる。
C 耐久性についても優れており、長期間の使用にも十分対応することが可能である。
D 通気性に優れており、夏場においても蒸れが発生することもなく快適に使用できる。(他のマットレスを使用していないので、比較は
できていない)
E インテリジェルにおいても、底付きを感ずることはないが、ジェルトロンは厚さもあり、またリブ構造を一体成形で形成されており、
より底付き感はないように思われる。
F ジェルトロン・2レイヤータイプは、トップタイプやボトムタイプより15cmと厚さがあり、より安定性があるようである。褥瘡ス
テージWにおい ても対応が可能ではないかと考える。しかしステージWの褥創に対しては、より沈み込みが大きく、体圧分散効果が
大きい高機能型の
エアマットレスの方を選択するのが安全であろう。ジェルトロン・2レイヤータイプは、ステージW保有者のうち、
自力で少し体位を変えられる方に適当ではないかと思われる。
G 長時間同じ姿勢を保ってなければならない人工透析中に使用する場合も、ジェルトロン(2レイアータイプのみでなく)は体圧分散
効果があり、体圧がかかる部の痛みやしびれが発生し難い。
H 高機能エアマットレスは体圧分散性に優れてはいるが、沈み込みが大きく、仰臥位を長期保つと猫背状態が長く続く問題があるが、
ジェルトロンは適当な沈み込みのために、強い猫背状態にならず、楽な姿勢を保つことができる。
I 中程度の褥瘡ステージU〜Vにおいてはエアマットレスよりも使用しやすいといえる。
J 伏臥位(うつ伏せ寝)の状態で長時間使用しても、身体の下になっていた上肢の痺れや損傷は発生し難く、肩や腕の関節も痛くなりにくい。
K 失禁などの汚れに対してもジェル部分・キャビティ部分・カバーをそれぞれパーツごとに水洗いできるので衛生的である。
L 全体の重量はかなりであるが、パーツごとに分解できるので、1人での持ち運びも可能である。
M エアマットレスでは、停電やセルの破損によるエア抜け状態を気付かずにいれば、褥瘡発生の危険性は大きくなる。しかし、ジェル
トロン はエア抜けの心配はなく、安定であるので、安心して使用できる。
N エアマットレスのような船酔いを生ずることはなく、一般家庭においても健常者の睡眠を安定させることのできるマットレスである。